【スピーチのアドバイス3】絶対ダメ!『特定人物を名指しした注意』について
いつもお勤めご苦労様です。
スピーチや本日の一言、プレゼンテーションにおいて、特定の人物を名指しで注意することは絶対に避けるべき行為と言えるでしょう。
こうした行動は、個人のプライバシーや尊厳を傷つけるだけでなく、職場やグループの雰囲気を悪化させ、全体のモチベーションを低下させる可能性がある上に、言いだした本人であるあなた自身の心証が一気に低下してしまうんですね。
特定の人物を公の場で注意することは、その人に対する個人的な攻撃と受け取られることが多く、結果的に信頼関係を損なうリスクが高まります。
また、そういった発言をする事により、あなた自身から人が離れてしまいます。
何故そんなことが言い切れるかって?
答えは簡単です。
『面倒な奴には近付かないが吉』
これに尽きるからです。
このページでは公の場で誰か個人に、『仮に注意』であったとしても避けた方が良いという話を進めますが、そもそもどうして人を注意するのがダメなの?
という部分を中心に伝えていきますね。
……そうですね…、あなたが勤める会社には嫌な同僚という人物が存在しますか?
心当たりある方は、そんな同僚を思い浮かべて先を読んでみてください。
きっと理解できる筈ですよ☆
【スピーチのアドバイス3】絶対ダメ!『特定人物を名指しした注意』について
まず第一に、特定の人物を名指しで注意することは、問題の解決には繋がりません。
公の場での指摘は当事者に対して恥や屈辱を感じさせるだけであり、建設的なフィードバックとして機能しにくいものなのですね。
注意や改善点を伝えたい場合は、個別に対話を持ち、具体的な行動や改善策を冷静に話し合うことが何よりも重要であり、そうした対応の積み重ねで当事者は防御的な姿勢を取らず、前向きに改善に取り組むように変化するのですね。
また、公の場での名指しは周囲の人々にもネガティブな影響を及ぼします。
観客や聴衆は、いつ自分が同じ目に遭うかもしれないという不安を抱くようになり、自由な意見交換や協力的な雰囲気が失われる可能性があり、悪くすれば分かりやすくあなたを避けるようにもなるでしょう。
職場やコミュニティではお互いに信頼し合い、尊重し合うことが求められますが、名指しでの注意はその信頼関係を壊す行為にしかならないのですね。
例えば、逆にあなたが名指しで言われる立場なら、一体どんな思いをする事でしょう?
全体の場で自分だけが吊るし上げられ、その上で心の底から感謝なり謝罪なり出来ますか?
また、そんな発言者に対して疑う事なくこれまで通り、一緒に仕事をしたいと思いますか?
そんな話なのです。
どうして特定人物を名指し注意する事がダメなの?
単刀直入に言ってしまえば、状況が関係者全員が集まっているからです。
全体の場で誰かを注意するという行為は、言ってみれば当事者以外は無関係な話題で時間を割かれているという迷惑な感想しか持たないのですね。
注意する側のあなたと、当事者の2人居れば話せる内容を、わざわざ関係ない人まで巻き込んで注意しているというわけです。
更に、人を見る目を備えた人物からすると、注意する側をどんな風に捉えるでしょう?
『ああ、コイツ、こうして人が集まっていないと注意する勇気がないやつなんだな』
と思われるか、
『この人はみんなの前で個人攻撃する事によって、マウントを取ったつもりでいるのかな?』
と思われるのが関の山でしょう。
また、リーダーや指導者の立場にある人が集合の場で個人を注意した場合はもっと深刻ですね。
誰かを注意するという事はその誰かがミスをしたという話になるわけですが、全てのミスは個人の問題ではなく会社のルールに不備があるか、そのルールの監視を怠ったために生まれるミスがほとんどですので、この話の場合は自分の不備を鑑みる事も無く誰かに責任を押し付けようとしている行為と変わらないのです。
言ってみれば職権乱用による責任転嫁ですね。
優しく言えば、リーダーや責任者とは、少なくとも一般社員よりも会社を理解しているという解釈の上で管理を任されているわけですから、そこが理解できないという事は役付きとしては致命的でしょう。
なので、問題を個人の責任に帰するのではなく、まずはシステムやプロセス全体の改善を目指すべきです。
問題の根本原因を探り、全体としてどのように改善できるかを考えることで、より効果的な解決策を見つけることが、個人攻撃なんかよりもよほど重要と言えるでしょう。
それでも全体の場で注意したい場合は?
それでも重要な問題によっては、全体に通達した方が良いという場合があるでしょう。
そんな場合、僕は必ずこんな手順を踏むように心がけています。
- 問題を起こした本人に事の原因を教えてもらい、解明に至らずとも是正処置を行う。あくまで叱るのではなく、『ケガはないか?』と、最低限にして当たり前の気遣いを忘れない
- 『ちょっと問題が問題だから、今日のスピーチで発表するね』などと同意を得る
- スピーチの場では『本人には既に伝えてありますが(ここが重要!)』と付け加えた上で、問題の発生と考えられる原因を述べ、自分の持つ改善案を言い、同時に案の協力を求める
- 問題を起こした当事者が既に割れていようとそうでなかろうと、当事者の名前は伏せ、目線も合わせない
- 今回の事故に対し、『よく今まで起きなかったものだ。運が良かっただけ』などとおどけて見せ、別に怒ってないよをアピールする(実際、会社の方針が問題なのだから、個人を責める理由がない)
- 反省や始末ではなく、『誰が起こしても不思議ではない事故』という言葉を強調し、再発防止の協力を求めて話を締める
とまあ、こんな感じの流れですかね。
自分で言うのもアレですが、少なくとも誰の反感も買う事は無く、協力者が徐々に増える事だけは確かですよ。
【スピーチのアドバイス3】絶対ダメ!『特定人物を名指しした注意』について まとめ
という事で、兎にも角にも全体の場で誰かを責めるような言葉遣いは絶対に避けましょう。
残念ながら人という存在は必ずミスを起こす生き物であり、それはあなたも例外ではありませんね。
会社の同僚として1対1(場合によっては少数の関係者含め)で注意喚起する場面は必ずある筈ですが、シチュエーションを間違えると単なる弱いものいじめとして捉えられてしまいますので、十分な配慮を意識しましょう。
また、怖がらせる話ではありませんが、
『誰かを注意する』
という事は、聞いている全員に対して
『自分はそんなミスを絶対にしない』
と言い切っているようなものです。
人を注意するという行為は、ある意味で
『生きている限り、俺はそんなヘマをしない』
と言い切っているような行為ではありますが、果たして長い人生、先なんか見えない人生で、その言葉通りになるものか?
そこを考えれば、簡単に他人を傷つける事は出来ないと思いますよ。
(恨み買っても面白くないし…)
だから、僕はこれまで誰に注意するにしても、極力1対1で行うようにしており、言ったその直後からは『終わった事』として済ませるのですね。
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